栗田の塩羊羹：長野の地元で愛される和菓子の魅力

羊羹の歴史は古く、その起源は中国に遡ります。もともとは羊の肉を煮たスープとして知られていましたが、日本に伝わると禅僧によって肉を使わない精進料理としてアレンジされました。

室町時代には日本の文献にも登場し、当初は汁とともに食べられていました。

江戸時代には茶会で供されるようになり、砂糖や小麦粉が加わるなど、多様な製法が生まれました。

18世紀後半には寒天を用いた煉羊羹が登場し、江戸で大変な人気を博しました。

一方で、塩羊羹は特に長野県下諏訪町で名産とされています。

この地域の塩羊羹は、戦国時代に上杉謙信が甲斐に塩を送ったことを讃える「松本あめ市（塩市）」に由来しています。

この市で販売される塩羊羹は、地元の名産品として高く評価されており、現在もその伝統が受け継がれています。

私は普段、羊羹に対して「甘すぎる」という印象を持っていましたが、栗田の塩羊羹を初めて食べた瞬間、その考えが一変しました。

この塩羊羹は、くどい甘さが一切なく、塩味と甘味が絶妙にバランスしています。

食感もねっとりとしたものではなく、すっきりとしていて非常に食べやすいです。

そのため、一本全部食べてしまうのではないかとさえ思いました。

練り羊羹で初めてリピートしたいと感じた一品でした。